<決勝>天候:晴れ|コース状況:ドライ
土曜に行われたノックダウン方式の公式予選ではQ3に進出、アタック中の立川が前のマシンに追いつき接触してしまうというアクシデントが起こるも、見事ポールポジションを獲得した#38 ZENT CERUMOSC430。久々のポールポジションから臨む決勝にチーム内のモチベーションはいやが上にも高まったが、土曜の公式練習が雨となったこともあり、ドライでのセットアップやタイヤの消耗度合いなど、決勝を前に確認しなければならない項目も多く、午前8時20分からのフリー走行はLEXUS TEAM ZENT CERUMOにとって非常に重要なセッションとなった。
走行開始の20分ほど前には霧雨がパラつき、前日の予選のような気まぐれな天候がスタッフの脳裏をよぎったものの、天候はすぐに回復し朝日が差す中ドライコンディションでのセッションがスタートした。
開始と同時にコースインした#38 ZENT CERUMO SC430は、平手のドライブ。アウト&インを行った後、再びピットアウトした平手は連続周回に入り、6周目には1分27秒115をマーク。徐々にペースアップした平手は、翌周に1分24秒812として6番手につけると、25秒前後のラップを刻んで再びピットへ。決勝を想定してのセットアップ修正を行うと、再び連続周回をこなす。
午前8時54分、今度は立川がステアリングを握ってコースイン。5分後には1分23秒700にまでタイムを上げた立川は#38 ZENT CERUMO SC430をモニターのトップに押し上げると、その後は25〜26秒台のまずまずのペースで周回を重ね、そのまま45分のセッションはチェッカーを迎える。サーキットサファリの時間帯をも有効に活用しながら決勝を想定したセットアップとタイヤ評価を行った#38 ZENT CERUMO SC430。マシンを降りた立川も「タイヤの消耗は想定範囲内。これなら決勝もなんとか行けるのでは」と決勝に向けた自信を口にするなど、LEXUS TEAM ZENT CERUMOはすべての準備を整えて、午後2時の決勝スタートに臨むこととなった。
午後零時55分に始まった8分間のウォームアップ。#38 ZENT CERUMO SC430はスタートドライバーを務める平手の手によってコースインし、最後のフィーリングをチェックするといったんピットイン。ほどなくしてピット出口が開き、ダミーグリッドへの試走が始まったが、平手の乗る#38 ZENT CERUMO SC430はピット出口で留め置かれている。両クラスのポールシッターは、全車がグリッドに着いた後、その隊列の作った花道を通って最前列に向かうのだ。
GT300のポールシッターである#911 エンドレスTAISAN PORSCHEに続き、大トリを務める形でコースインした#38 ZENT CERUMO SC430は、午後1時18分にダミーグリッド最前列にマシンを止めた。
華やかな雰囲気のスタート進行が進む中、落ち着いたリラックスした表情を浮かべる高木監督と立川、平手。瞬く間に時間は過ぎ、ついに午後2時に平手のドライブで決勝のローリングがスタートした。
気温10℃、路面温度15℃というコンディションでスタートした決勝。ソフト系のタイヤをチョイスしていたこともあり、「温まりの良さを活かしてスタートから逃げよう」と考えていた平手は、その言葉通りグリーンシグナルが点灯すると同時に好スタート。接触や競り合いながら1コーナーをクリアする後続の混乱をよそに、オープニングラップで早くも2番手以下を引き離して行く。
1周目で1秒3ものギャップを築いた平手は、#38 ZENT CERUMO SC430にムチを入れて序盤にプッシュ。2番手に浮上した#36 PETRONAS TOM'S SC430を引き離して行く。しかし、6周目あたりから早くもバックマーカーが現れ始め、7周目に2番手に浮上した#23 MOTUL AUTECH GT-Rとのギャップは思うように拡がらない。
それでも16周目には4秒8にまでマージンを奪った平手だったが、ソフト系のタイヤを選んでいたことで徐々にタイヤの消耗が始まって来てしまう。スタート前から予想していた状況ではあったものの、このあたりから平手はじりじりと#23 MOTUL AUTECH GT-Rに間合いを詰められて行くことに。
23周目にはついにその差が1秒を切り、ピット内のスタッフにも緊張感が漂って来たが平手は粘り強く周回を重ね、トップを死守して行く。
しかし、ついに33周目のアトウッドカーブ立ち上がりで#23 MOTUL AUTECH GT-Rに並びかけられた#38 ZENT CERUMO SC430は、続くヘアピンへのアプローチでインをこじ開けられ、#23 MOTUL AUTECH GT-Rの後塵を拝することに。トップを明け渡してしまった平手だが、その後も諦める事無くギャップを拡大されないよう、#23 MOTUL AUTECH GT-Rを追走していく。
そして35周終了時、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは平手をピットに呼び寄せ、立川に後半スティントを託す。高木監督以下、チームは立川により硬めのミディアムタイヤを履かせ、残る47周というロングスティントでの逆転を目指すこととなった。
この動きを見て、トップを走っていた#23 MOTUL AUTECH GT-R、さらには3番手につけていた#100 RAYBRIG HSV-010も翌周にピットイン。ソフトより温まり難いミディアムタイヤながら、アウトラップに必死にプッシュした立川だったが、ここで#100 RAYBRIG HSV-010にも先行され事実上の3番手にドロップしてしまう。

しかし、同様に#23 MOTUL AUTECH GT-Rもタイヤの温まりに苦戦。この機を逃さず、立川は#100 RAYBRIG HSV-010に続いて39周目に入るホームストレートで#23 MOTUL AUTECH GT-Rをパス。逃げる#100 RAYBRIG HSV-010を追いかけて行く。
タイヤ交換を引っ張ったマシンがピットインしたことで、44周目には#100 RAYBRIG HSV-010がトップ、#38 ZENT CERUMO SC430は2番手に浮上することとなるが、この時点で既に立川は#100 RAYBRIG HSV-010をコンマ7秒差の射程距離に収めている状態。なんとか立川を引き離そうとプッシュする#100 RAYBRIG HSV-010に対し、周回遅れの巡り合わせのタイミングが悪かったこともあり一時は4秒ほどギャップを拡げられてしまった立川だったが、逆に相手が周回遅れに詰まったところで間合いを詰め、64周目には再びコンマ5秒差に。
仕掛けるタイミングを狙っていた立川は69周目、ヘアピン立ち上がりでアウトから並びかけ、続くリボルバーコーナーの進入でインを奪って逆転に成功しトップの座に返り咲く。サインガードで見守る平手と高木監督にも、思わずガッツポーズが出る。
ところが、このまま優勝と思われた終盤、予期せぬドラマが起こる。#100 RAYBRIG HSV-010よりも速いコース前半部分で相次いで周回遅れに行く手を阻まれたことと、ラスト5周でタイヤの消耗が始まったことが重なり、立川の背後に#100 RAYBRIG HSV-010が再び迫って来たのだ。
リヤを振りながら苦しげに走る立川は必死の防戦を見せていたものの、ついに81周目のダブルヘアピン2つ目でアウトから#100 RAYBRIG HSV-010にオーバーテイクされてしまう。ラストラップを目前にしたトップ陥落に、ピットのスタッフも声を失った。
しかし、「このままでは格好悪くてピットに帰れない」とばかりに勝負を諦めなかった立川は、ラストラップのヘアピンで#100 RAYBRIG HSV-010のインに飛び込み、トップを奪還することに成功する。
予期せぬ大逆転劇にスタンドのファン以上に歓喜に沸くLEXUS TEAM ZENT CERUMOのピット。喜びに沸くその前を#38 ZENT CERUMO SC430はトップで駆け抜け、劇的なポール・トゥ・ウインを達成することに。窓から右手を突き出し、ガッツポーズでウイニングランを終えた立川を高木監督、平手が出迎え、3人は喜びの抱擁をかわす。

こうして今季開幕戦を見事なポール・トゥ・ウインで飾ったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。最高のシーズンスタートを切った#38 ZENT CERUMO SC430には、次戦富士で40kgのウエイトが搭載されることとなったが、今回のレース展開のようにそれを跳ね返しての上位入賞を期待したい。
ドライバー/立川祐路
「ラスト5周でタイヤが厳しくなった上に、周回遅れとの巡り合わせが悪くて抜かれてしまったんですが、最後まで諦めずにプッシュして本当に良かったです。この優勝はシーズンオフを通じて、クルマを仕上げるために頑張って来たみんなのお陰だと思いますし、こうして開幕戦でポール・トゥ・ウインという結果を得られたことで、やってきたことが間違っていなかったということの証明にもなりました。次はウエイトを積みますが、舞台が得意の富士ということで充分戦えるはず。シリーズの流れを考えても今回優勝出来たということは非常に大きかったと思います。次の富士でもたくさんポイントを獲って、良い形でシーズンを戦えるよう頑張ります!」
ドライバー/平手晃平
「初めてGT500でポールスタートを担当したのですが、自分が温まりの良いソフト系のタイヤを履いているのに対し、他のマシンの何台かが硬めのタイヤを履いていることは分かっていましたので、そこを活かしてスタートで逃げてやろうと考えていました。結果的にうまく行ったとは思います。ただ、気温が少し上がってしまったことで、予想よりはタイヤの消耗が早かったかもしれません。23号車に抜かれず、トップのまま立川さんに繋げていれば最高だったんですが、2番手でも引き離されないよう頑張りました。後半は喜んだり、がっかりしたり、また喜んだりと、本当に自分が乗っているよりもドキドキで疲れました(笑)。次の富士は昨年優勝していますしテストでも好調だったので、表彰台はもちろん、連勝を狙いたいですね」
監督/高木虎之介
「スタートから10周ぐらいは平手も速かったですし、良く頑張ってくれたと思います。最終的に23号車に抜かれてしまいましたが、ちゃんとチームの予定通り35周を良い形で走り切ってくれました。残り周回を考えて、立川のスティントにはより硬めのタイヤを選んだのですが、最初少し引き離されたのは、たぶん立川がスティント前半はタイヤをセーブしていたからじゃないでしょうか。いったんトップに立った後、タイヤもキツかったでしょうし、周回遅れとの巡り合わせも悪く間合いを詰められて抜き返されてしまいましたが、最後はベテラン立川の駆け引きの上手さが出ましたね。次戦の富士は40kg搭載しますが、それぐらい積んでいてもきっと表彰台あたりを争えるのではないかと思いますし、40kg積んでどれだけポイントを稼げるか……。ある意味次の富士はチームにとって大きな勝負になると思いますね」
。
23周目にはついにその差が1秒を切り、ピット内のスタッフにも緊張感が漂って来たが平手は粘り強く周回を重ね、トップを死守して行く。
しかし、ついに33周目のアトウッドカーブ立ち上がりで#23 MOTUL AUTECH GT-Rに並びかけられた#38 ZENT CERUMO SC430は、続くヘアピンへのアプローチでインをこじ開けられ、#23 MOTUL AUTECH GT-Rの後塵を拝することに。トップを明け渡してしまった平手だが、その後も諦める事無くギャップを拡大されないよう、#23 MOTUL AUTECH GT-Rを追走していく。
そして35周終了時、LEXUS TEAM ZENT CERUMOは平手をピットに呼び寄せ、立川に後半スティントを託す。高木監督以下、チームは立川により硬めのミディアムタイヤを履かせ、残る47周というロングスティントでの逆転を目指すこととなった。
この動きを見て、トップを走っていた#23 MOTUL AUTECH GT-R、さらには3番手につけていた#100 RAYBRIG HSV-010も翌周にピットイン。ソフトより温まり難いミディアムタイヤながら、アウトラップに必死にプッシュした立川だったが、ここで#100 RAYBRIG HSV-010にも先行され事実上の3番手にドロップしてしまう。

しかし、同様に#23 MOTUL AUTECH GT-Rもタイヤの温まりに苦戦。この機を逃さず、立川は#100 RAYBRIG HSV-010に続いて39周目に入るホームストレートで#23 MOTUL AUTECH GT-Rをパス。逃げる#100 RAYBRIG HSV-010を追いかけて行く。
タイヤ交換を引っ張ったマシンがピットインしたことで、44周目には#100 RAYBRIG HSV-010がトップ、#38 ZENT CERUMO SC430は2番手に浮上することとなるが、この時点で既に立川は#100 RAYBRIG HSV-010をコンマ7秒差の射程距離に収めている状態。なんとか立川を引き離そうとプッシュする#100 RAYBRIG HSV-010に対し、周回遅れの巡り合わせのタイミングが悪かったこともあり一時は4秒ほどギャップを拡げられてしまった立川だったが、逆に相手が周回遅れに詰まったところで間合いを詰め、64周目には再びコンマ5秒差に。
仕掛けるタイミングを狙っていた立川は69周目、ヘアピン立ち上がりでアウトから並びかけ、続くリボルバーコーナーの進入でインを奪って逆転に成功しトップの座に返り咲く。サインガードで見守る平手と高木監督にも、思わずガッツポーズが出る。
ところが、このまま優勝と思われた終盤、予期せぬドラマが起こる。#100 RAYBRIG HSV-010よりも速いコース前半部分で相次いで周回遅れに行く手を阻まれたことと、ラスト5周でタイヤの消耗が始まったことが重なり、立川の背後に#100 RAYBRIG HSV-010が再び迫って来たのだ。
リヤを振りながら苦しげに走る立川は必死の防戦を見せていたものの、ついに81周目のダブルヘアピン2つ目でアウトから#100 RAYBRIG HSV-010にオーバーテイクされてしまう。ラストラップを目前にしたトップ陥落に、ピットのスタッフも声を失った。
しかし、「このままでは格好悪くてピットに帰れない」とばかりに勝負を諦めなかった立川は、ラストラップのヘアピンで#100 RAYBRIG HSV-010のインに飛び込み、トップを奪還することに成功する。
予期せぬ大逆転劇にスタンドのファン以上に歓喜に沸くLEXUS TEAM ZENT CERUMOのピット。喜びに沸くその前を#38 ZENT CERUMO SC430はトップで駆け抜け、劇的なポール・トゥ・ウインを達成することに。窓から右手を突き出し、ガッツポーズでウイニングランを終えた立川を高木監督、平手が出迎え、3人は喜びの抱擁をかわす。

こうして今季開幕戦を見事なポール・トゥ・ウインで飾ったLEXUS TEAM ZENT CERUMO。最高のシーズンスタートを切った#38 ZENT CERUMO SC430には、次戦富士で40kgのウエイトが搭載されることとなったが、今回のレース展開のようにそれを跳ね返しての上位入賞を期待したい。
ドライバー/立川祐路
「ラスト5周でタイヤが厳しくなった上に、周回遅れとの巡り合わせが悪くて抜かれてしまったんですが、最後まで諦めずにプッシュして本当に良かったです。この優勝はシーズンオフを通じて、クルマを仕上げるために頑張って来たみんなのお陰だと思いますし、こうして開幕戦でポール・トゥ・ウインという結果を得られたことで、やってきたことが間違っていなかったということの証明にもなりました。次はウエイトを積みますが、舞台が得意の富士ということで充分戦えるはず。シリーズの流れを考えても今回優勝出来たということは非常に大きかったと思います。次の富士でもたくさんポイントを獲って、良い形でシーズンを戦えるよう頑張ります!」
ドライバー/平手晃平
「初めてGT500でポールスタートを担当したのですが、自分が温まりの良いソフト系のタイヤを履いているのに対し、他のマシンの何台かが硬めのタイヤを履いていることは分かっていましたので、そこを活かしてスタートで逃げてやろうと考えていました。結果的にうまく行ったとは思います。ただ、気温が少し上がってしまったことで、予想よりはタイヤの消耗が早かったかもしれません。23号車に抜かれず、トップのまま立川さんに繋げていれば最高だったんですが、2番手でも引き離されないよう頑張りました。後半は喜んだり、がっかりしたり、また喜んだりと、本当に自分が乗っているよりもドキドキで疲れました(笑)。次の富士は昨年優勝していますしテストでも好調だったので、表彰台はもちろん、連勝を狙いたいですね」
監督/高木虎之介
「スタートから10周ぐらいは平手も速かったですし、良く頑張ってくれたと思います。最終的に23号車に抜かれてしまいましたが、ちゃんとチームの予定通り35周を良い形で走り切ってくれました。残り周回を考えて、立川のスティントにはより硬めのタイヤを選んだのですが、最初少し引き離されたのは、たぶん立川がスティント前半はタイヤをセーブしていたからじゃないでしょうか。いったんトップに立った後、タイヤもキツかったでしょうし、周回遅れとの巡り合わせも悪く間合いを詰められて抜き返されてしまいましたが、最後はベテラン立川の駆け引きの上手さが出ましたね。次戦の富士は40kg搭載しますが、それぐらい積んでいてもきっと表彰台あたりを争えるのではないかと思いますし、40kg積んでどれだけポイントを稼げるか……。ある意味次の富士はチームにとって大きな勝負になると思いますね」
|